手爪・足爪の黒い変色を引き起こす「爪下血腫(内出血)」のお手入れは?
手爪や足爪が黒い変色を起こしていて、「え?なにこれ…」と驚いた経験がある方も結構多いはず。
その手爪や足爪の黒い変色は、もしかしたら「爪下血腫」によるものかもしれません。
今回は爪下血腫について、お手入れの方法もあわせてご紹介します。
目次
爪下血腫(そうかけっしゅ)とは?
爪下血腫とは、爪の下に血が溜まり、爪が黒い変色を起こしている状態を指します。
症状の重さにもよりますが、爪全体が黒く変色する場合もあれば、爪に黒い点ができる場合もあります。
また、爪下血腫は血によるものなので、その黒い変色が赤黒い色をしていたり、紫っぽい色をしていたりすることもあります。
爪下血腫の場合、爪の変色の他にも痛みを伴う場合があります。
爪下血腫の原因
爪下血腫の原因は、爪への強い圧迫です。
例えば、
・手や足をどこかに強くぶつけた
・何かを思いっきり蹴ってしまった
・ドアに手を挟んだ
・足の上に重いものを落とした
・足に合わない靴を履いた
などといった、爪を強く圧迫するようなことがあると、爪の下で出血を起こしてしまいます。
どちらかというと、手爪よりも足爪のほうが強く圧迫される機会が多いため、爪下血腫は手爪よりも足爪で起こる場合が多いです。
特に、
・マラソンをしている方
・先のとがった靴を履く方
・ハイヒールを履く方
は足爪が強く圧迫されやすいので、足爪に爪下血腫が起こりやすくなります。
爪下血腫のお手入れは?
爪下血腫を起こした爪は、見た目も少々グロテスクですし、どうしても気になってしまうと思います。
では、爪下血腫を起こしてしまった場合、どういったお手入れやケアを行えば良いのでしょうか。
お手入れをすべきかどうかの基準は?
爪下血腫は、特にお手入れやケアをする必要がない場合も多いです。
この、お手入れをすべきかどうかの基準は、以下の通りです。
◆痛みの有無
爪下血腫は、痛みを伴う場合と伴わない場合とがあるため、痛みをを伴うかどうかで判断します。
痛みを伴うかどうかが分からない場合は、まず爪下血腫を起こしている部分を押してみてください。
基本的に、痛みを伴わない場合は症状が軽いので、お手入れする必要はありません。
この場合は自然治癒するのを待ちましょう。
ただ、痛みを伴う場合は溜まった血を抜いたほうが良いです。
◆爪下血腫の範囲
爪下血腫を起こしている爪を見て、血腫の範囲で判断します。
血腫の範囲が小さければ、症状としても軽いものである可能性が高いので、お手入れせずそのままにしておいて大丈夫です。
一方で、血腫の範囲が爪の3分の1以上を占めるようであれば、溜まった血を抜いたほうが良いです。
◆爪下血腫ができた位置
爪は根元から伸びていくものですから、爪下血腫ができた位置によっては、生え変わりまでの時間のことを考えると、血を抜いたほうが良い場合があります。
爪下血腫ができた位置が爪の先端に近い部分であれば、生え変わりも間近なので、そのままにしておいても大丈夫です。
ただ、爪下血腫が爪の根元に近い部分にできてしまった場合は、生え変わるまでの時間のことを考えると、血を抜いてしまったほうが良いです。
爪下血腫の血の抜き方
血を抜いたほうが良い場合の爪下血腫は、自宅か医療機関で血を抜く処置を行います。
自宅で血を抜く場合は、針の先を熱して消毒し、血腫のある部分に針を刺して血を抜きます。
こちらの動画が参考になりますよ。
もし自宅で血を抜くのが怖い場合は、医療機関でも血を抜いてもらうことができます。
どちらかというと、怖い・怖くないに関わらず、医療機関で血を抜いてもらったほうが安全なので、なるべく医療機関を受診するようにしてくださいね。
爪に黒い変色を起こす原因は他にも…
今回は、「比較的よくある爪のトラブルである」という理由から、爪下血腫について取り上げさせていただいたのですが、爪に黒い変色を起こす原因は他にもあります。
・メラノーマ(黒色悪性腫瘍)
・アジソン病(慢性副腎皮質機能低下症)
・糖尿病
・閉塞性動脈硬化症
・爪白癬(つめはくせん)※爪水虫
・ほくろ
・慢性的な便秘
・薬の副作用
など…
これらの原因の中から、
・メラノーマ
・アジソン病
・爪白癬
の3つについて少し詳しくご紹介します。
【メラノーマ(黒色悪性腫瘍)】
皮膚ガンの1つで、メラニン色素を生成する細胞が腫瘍化することによって発症する病気です。
爪でメラノーマを発症した場合、爪に黒い点や黒い縦線が入る程度ですが、進行すると黒い点が濃くなる・大きくなる、黒い縦線が伸びる・太くなるといった症状が現れ、皮膚にまで広がってくる恐れがあります。
進行が早いガンでもあるので、早期発見・早期治療が重要になってきます。
【アジソン病(慢性副腎皮質機能低下症)】
「副腎」という臓器の働きが低下し、「副腎皮質ホルモン」というホルモンが分泌されなくなる病気で、指定難病の1つです。
爪に現れる症状としては、メラノーマと同じように黒い縦線が現れます。
その他の症状としては、
・嘔吐
・下痢
・便秘
・腹痛
・食欲不振
・疲労感
・倦怠感
・月経異常
・不安感
・集中力の低下
・皮膚の色素沈着
などといった症状が挙げられます。
【爪白癬(爪水虫)】
爪に白癬菌が侵入し、爪が白癬菌に感染することによって起こる病気です。
すでに白癬菌に侵されている方が発症する場合が多く、足裏の水虫が爪にまで広がってきている状態です。
最初は爪全体が白っぽく濁る程度ですが、症状が進行すると爪が黒い変色を起こすことがあります。
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もし、「爪を強く圧迫した覚えがないのに黒い変色を起こした」という場合は、こういった原因も疑われるので、その場合は医療機関を受診してください。
まとめ
今回は、手爪や足爪に黒い変色を引き起こす爪下血腫について、原因やお手入れの方法をご紹介させていただきましたが、いかがでしたか?
基本的に、手爪や足爪を強く圧迫するようなことをした覚えがあれば、爪の黒い変色は爪下血腫なので、必要に応じて血を抜く処置を行う必要があります。
ただ、爪を強く圧迫した覚えがないにも関わらず、爪が黒く変色してくる場合は、メラノーマやアジソン病などの病気の可能性も出てくるので、怪しいと思った場合は医療機関を受診するようにしましょう。